ドリフェス!と私-ファイナルプロジェクトの報を受けて

ドリフェス!プロジェクト終了の報を受けて、ファンの意見を読み、触発されてこれを書いている。最近になって遂に悪夢を見始めたので、どうやら自分で思っているよりもショックな出来事であるらしい。なのでとりとめなく、ドリフェス!について今の心境を書き連ねてみたい。半分はうなされるように書いている。アニメ・アプリ、全てのネタバレがあるので注意。筆者はKUROFUNE推し(圭吾寄り)である。

 

 

緊急生放送を受けて

正直、気持ちを決めきれないでいる。

一つは、エピローグとして用意された武道館に向け、後悔のないよう走っていこう!という気持ち。
もう一つは、 こうしていきなり最後が来てしまうのは単純に勿体無いなぁ、という気持ちだ。

 

パシフィコ横浜を経る前の自分だったら、きっと素直に受け入れることが出来ていただろうと思う。衣装があるのに『Whole new world』のPVが撮られなかった時点で、プロジェクトの縮小を感じてはいた(あったものが無くなるのは大きい)。アニメについても3期は予定されていないことが早めに分かっていたし、DCDも1月末には終了の噂が流れていた。

だからアニメの結末にリアルが追いついて、ほんの少しだけ追い越して、綺麗に終わる。それは美しいし、「ああ、終わっちゃったら寂しいなぁ、でも仕方ないかも(アクティブ少ないし)」くらいにとらえていた。呑気なものだ。

 

それでも横浜で見た7人は、このプロジェクトが終わるのではという危惧を打ち消すような、サイコーのきらめきを見せてくれた。

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「このプロジェクトは終わるんだ」と。いまふり返れば言葉の端々に滲み出ていたそれを、あの日あの場で、彼らのパフォーマンスを見ながら、終わりととらえた人がいただろうか。

少なくとも私はここが彼らの新しいスタートだと、そうとらえていた。

3月に入って、DCDの終了は覚悟していたが、まさかアプリも終わり、プロジェクトごと終了の話をされるとは、思っても見なかった。あの時点で、1stツアーから2週間も経っていなかったんですけど。おかしいな。

 

緊急生放送、始まった瞬間からいわゆる「声優の盾」的なものを危惧したけれど、あれを「盾」とは、私は呼びたくない。

ただ、とにかく全員これまで見たことがないくらい表情が堅かった。そんな中でそれぞれがらしく振る舞おうとしてくれているのがわかった。

なんというか、ドリフェス!のキャストはとにかく、ファンに対して発表できないことがあるにせよ、嘘はつかない。…と、私は感じている。勘違いでもいい。でもおそらく勘違いではないと思う。だからここまで着いてこれたし、見れば見るほど、全員に好きなところがどんどん増えていった。それぞれが違う形で、自身の気持ちに素直なのがキャスト陣の最大の魅力だと思う。役者なのだから演技なのかもしれないが、「素直に喋ってるな」とこちらが感じているのだから、それは素直に喋っているのだろう。

キャストはつとめて真摯にここまで着いてきたファンへ対応してくれた。私はそう感じている。

感じてはいるものの、正直あの放送をどう受け止めたらいいのか、まだ整理がついていない。涙目でも泣かなかった壮馬くんは立派にセンターしてたとか、全員こんなときまで5次元しなくていいよとか、気を使っていただいてありがとう…とか、そのくらいしか言えない。逆に言えば、こんなときまで5次元してると思えるくらい、キャラとキャストが馴染んだ、ということだ。

 

それをここで切断してしまうの、なんて勿体ないんだろう。

 

 

キャラ、キャスト、「5次元」

キャラとキャストが「馴染む」とはどういうことか、

参考までにまずはKUROFUNEの初期ビジュアルをご確認いただきたい。

 

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そしてこれが今年2月のバトルライブの記事。

kiki-voice.jp

 

もう外見からして最高潮に寄せてきている。2年半でここまで来れる。ヤバイ。勿論初期の馴染んでいない頃もふり返ってすべてが最高だ。これだけ役に入ってくれたのがもう単純に嬉しい。

無論、馴染む、というのはビジュアルだけの話ではなく、キャラクターの人物像の一部はキャストから逆輸入する形で作られているし、キャラクターのサインやコメントはキャストの直筆(つまりキャラクターの筆跡=キャストの筆跡)だ。

勿論、キャラクターは別人格として、別の人生を歩んでいる。それでもステージやイベント等、ファンの前では、キャストとキャラクターは重なって見える。重なる、というよりは、並列しているというべきだろうか。キャストはキャスト、キャラクターはキャラクターだ。キャスト陣はライブの時、「天宮奏です」とは名乗らない。「DearDream赤担当、天宮奏こと石原壮馬です」と名乗る。キャラクターを背負ってはいながらも、ステージに立っているのはあくまでキャストである。

それでも、作品を通過することで、彼らがアニメやアプリと地続きのDearDreamでありKUROFUNEだ、と思えるようになる。前向きに混同していく。

 

それが可能なのは、ファンの側に対しても彼らとキャラクターを同一視しやすくなるような仕掛けがされているからだ。彼らはアプリと同じ振り付けで踊り、時にはモーションキャプチャーで3Dモデルの「中の人」になったりもする。

そうやって身体的にも二次と三次を馴染ませていった結果、プロジェクトは途中から「2.5次元」ではなく「5次元」プロジェクトとなった。

 

通常、キャストとキャラクターを混同することはあまり良いことではないとされる。ヒーローショーで俳優の名前を呼ぶのは、有りか無しかでいえば、大体の場合は無しだ。キャストのファンと、役のファン、は、同じようで結構違う。キャストの人となりを良いと思う時もたくさんあるし、キャラを通してキャストのファンになるなんてよくあること…なのだが。
3次元のドラマとは異なり、「絵」という強いフィルターを通す以上、キャストとキャラの同一視に拒否感を覚える人も、それなりにいる。だから2.5次元は難しいし、ある種の敷居の高さがある。
「役者」という言葉が示すとおり、役と演者は一つの肉体で繋がっている。だからその混同、判別のつかなさは、めちゃくちゃ面白い。面白いが、取扱いが難しい。この辺のためらいは、触れてきた文化によって異なる部分だと思うので、「好きなら堂々としたら?」と思う向きもあるだろうし、実際堂々としていい。あくまで個人的なためらいの話だ。君はヒーローが好きな時、ヒーローが好きなのか、スーツアクターが好きなのか、変身前の俳優が好きなのか?そんなの選ぶ必要はない。話も演出も効果も、なにもかもひっくるめての「好き」だ。ドリフェス!もそう、風間圭吾が好きで、黒石勇人が好きで、KUROFUNEが好きで、戸谷公人と株元英彰が好きで、その音楽が好きで、ストーリーが好きで、演出が好きで……。
でもその大きな「好き」は、ときに暴力にもなる。だから全てをないまぜにした好きには、いつもほんの少し後ろめたさがある。
 

それでも、プロジェクト終了に際しての村野監督のツイート(個人的なツイートとのことなので、ここで引用はしない)を読めば、ドリフェス!はその混同を真正面から肯定している、稀有な作品であることがわかる。

 

ステージに立っているのがどちらかなんて、最早問題ではない。ドリフェス!には中の人などいない。単純に14人の7人がいる。キャラとキャストが支えあい、観客のエールによって、役者ではなく、アイドルとしてステージが成立する。それは誰が欠けても成立しない。物語のままに。そんなのは見てる側の気のせいかもしれない。見えないものが見えているのかもしれない。ドリフェス自体夢のステージだし、なんだか全部夢だったような気もしてきたけど、こんな手応えのある夢、もう大体現実でいいんじゃないか。私は石原壮馬を天宮奏だと思っていいのだ。

 
とにかくその倒錯を、最高超えて面白い!と胸を張って言える。演者自身が、キャラクターの物語と同じ景色を見ている、同じ景色を見たと言ってくれる作品を、ほかに私は知らない。
あったとしても、それはドリフェス!ではない。私は次元を超えて、キャラとキャストが同じ速度で歩んできた、ドリフェス!が大好きだ!

 
武道館はエピローグだ。これまで送ってきたエールの成果でもあるのだろうとも思う。だからファンの一人として胸を張って、後悔のないように、全力で応援をして終わりでも、それはそれで納得できる。綺麗だし。綺麗だし納得できるのだが、物語としてのドリフェス!ってそういう物量の話でしたっけ感、めちゃめちゃある。ドラマを飛ばされていきなり最終回をみているような、そんな気持ちだ。全然経過が足りない。かといって、この武道館はこれまでのエールの成果でもあり…。困惑のループ。全然納得していない。

 

 

これまでのドリフェス! と私

ドリフェス!で展開されたプロジェクトについて、それぞれ思い出を書いていこう。

 

約2年間、キャラとキャストが歩んだ時間が、あと2ヶ月もしないうちに消滅する。

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正直、3Dモデルのクオリティはそれほど高くない。筋肉に陰影がつかず、のっぺりとしている。だがそれが良かった。精密な描写よりもかえって想像が膨らみ、なぜかわからないが飽きがこない。時々ライブからアイドルは失踪し、掛け声を噛む。ドリカは同じブランドが揃うまでキルキルファッション状態だ。それが最高に楽しかった。やること成すこと全てが面白かった。どうみてもバスタオル、メロンパン髪についてるよ、人間鏡餅。この卓越したセンスが失われるのはあまりにも惜しい。勿論全うに格好いい時の方が大半ではあるが、アイドルを直筆ゼッケンの体操服で踊らせることができるゲーム、稀有すぎる。アイドルは何を着ててもほんとうに輝くのだ!惜しまれ過ぎるので存続を要望した。せめてアーカイブとして残してほしい。

ゲーム中ボイスも大好きだ。盛り上がってきたね!盛り上がってるかな~、と何故か不安気になりがちな奏がほんとうに奏だし、ステップに厳しい鬼コーチモードの慎も意外な一面感があっていい。初期のツン感が残っている。いつきの年下感が存分に味わえるのもアプリだし、純哉はまさに正統派!誰よりもアイドルしている。千弦はR!に切り替わる前の「おひるひるひるおひるひる~」が耳について離れない。濃すぎる。あまりに濃すぎる。曲の属性によってボイスが変わるのも、とても凝っていたと思う。アピールも良い。こんなやるせない投げキッスがあるかという黒石勇人を一生見ていたい。簡単にファンにデレられては困る。圭吾に至っては好きすぎてもはやコメント不能。毎日朝の4時(5時かも)に勇人がまだ寝てる…と言い出すのが、いろいろ通り越していて面白かった。寝かせてあげて欲しい。

ドリフェス!はこの隙だらけのキャラクター達がほんとうに良い。一つ画面外からツッコむたびに好きになる。なんか彼らがみたい笑顔ってそういうことだっけという気もしてきたけど、毒気のないキャラクターは本当に良いものだ。毒気のなさに当てられて、こっちがキャラクターの笑顔を望んでいる。もっと見たいと思う。目が離せなくなる!それってアイドルじゃないか。大きく話が逸れてしまったが、この際全てがアーカイブされてほしい。

なにより膨大なシナリオ群はドリフェス!というコンテンツを語る上で外せない。演技の成長を最も感じることができる、成長の軌跡そのものといってもいい。ここでしか確認できないキャラの設定も多く、アニメを引き継いだ過去や続編の話もあり、補完としての機能もある。というか、「アイドル」としての彼らの日常はアプリである。

アニメはあくまで、ステージでは見られない彼らの素顔を追ったドキュメンタリー、という体だ。

 

 

私がドリフェス!に嵌まるきっかけになったのは、そのアニメ1期の7話である。

1話から急に飛んで7話をみた。色々な意味で完璧だった。そこから遡って見返した。『アイカツ!』を思わせる真っ直ぐさがそこにはあった。スターズに切り替わったタイミングでアイカツ!を卒業した私は、ドリフェス!アイカツ!の還元濃縮版だと思って見ていたと思う。「穏やかじゃない」や崖登りなど、同脚本家ならではのそれを思わせるサービスも随所にあり、まぁ好ましく見ていた。ただ、ドリフェス!は決してアイカツ!とイコールではなく、いわゆる「優しい世界」ではない。SNSで中傷もされる。根も葉もないことを書き立てられる。パパラッチ。殴り合いもある。辞めた人、傷つけた人、優しい人たちが互いにくよくよしているし、挫折や後悔、嫉妬、ためらい、自信のなさ。思春期問わず様々に足を止めてしまう要素から、一歩を踏み出すためのドラマが描かれている。主人公として中心にいる奏からして、肝心なときに失敗しがちで、そこがいい。皆大して強くない。皆一人では強くなれないから、ユニットでステージに立つ。エールに呼応して、一人ひとりが抱えていたきらめきは乱反射し、大きな輝きになる。ドリフェスっていいなぁ。

 

ドリフェス!の楽曲はドラマに直接結びついている物が多い。『2032』『Future Voyager』『Symmetric love』『You are my RIVAL』……。サウンドトラックをなぞるだけで、本編の内容がありありと思い出せる。全てがキャラソンといってもいいだろう。この曲を、このユニットで歌うことに意味があり、ドラマがある。

 

 

Future Voyager/Whole New World

Future Voyager/Whole New World

 

 

Symmetric love/You are my RIVAL

Symmetric love/You are my RIVAL

 

 

他方、ドラマ性が強いそれらの曲に対し、ドリフェス!にはDFプロダクションの共通曲というものがある。アプリをプレイしている人にとっては、むしろこちらのほうが馴染みがあるだろう。同じ曲を異なるキャラが歌うことで、歌は如何様にも違う色を見せる。先日のBATTLE LIVEでは、その特性を大きく活かしたステージが行われていたので、興味があったら是非発売されるDVDをご購入頂ければと思う。プロジェクトの展開に合わせ、印象が変わる曲も多くある。

 

 

2.5次元アイドル応援プロジェクト『ドリフェス!』ミニアルバム「Welcome To D-Four Production」

2.5次元アイドル応援プロジェクト『ドリフェス!』ミニアルバム「Welcome To D-Four Production」

 

 

 

2.5次元アイドル応援プロジェクト『ドリフェス!』ミニアルバム2「Catch Your Yell!!」

2.5次元アイドル応援プロジェクト『ドリフェス!』ミニアルバム2「Catch Your Yell!!」

 

 

ところで即位するのくだりは天才かと思う。特に主語が無いのがいい。一体何に…!?と思ったらもう大体夢中で見ているし、その直後相方が踊るのを困惑して眺める勇人は他に類を見ない斬新さだ。その後他媒体でも大体眺めてるのが本当に良かったし、後に実はアイドルの輝きに見とれていたとわかるのがこれまたアツい展開だった。この「即位する~」の台詞、圭吾本人が作中のバトルライブ当日までに必死で考えた結果だというのがまた愛しい。2期になると言わなくなってしまうのが寂しいので、可能な限りいつまでも即位してほしい。圭吾の人間的な弱さには、もの凄く共感が持てる。そして彼がそれを振り切ったときの輝きは人一倍なのだ。 

 


最初は「顔」を評価して圭吾を選んだ勇人が、実際に魅せられたのは圭吾がこだわっていた「キャラクター」 だったというのも、非常に報われる話で、KUROFUNE周りのストーリーは本当に素晴らしい。

 

だからこそ、なぜ子役時代からここまで風間圭吾が「キャラクター」にこだわるのか、 それを描写してほしかったという思いが募る。
 

ほかにR!でなんといっても好きなのは、奏が怪我をした後、三貴子が差し入れにやってきて、「怪我、あるよねー、あるある」くらいのテンションで励ましてくれるシーン。経験って強いな、と思うし、誰も奏の不注意そのものを咎めはしない。奏は十分自分でわかっている。一生懸命やった結果、いつも肝心な所で落ちてしまい、凹む奏に対し、皆がここからどうするかの話をする。起こってしまったことは変えられず、そこからどう踏み出すか、踏み出せるのか。イケるっしょ!と奏が思えるのは、これまでの軌跡を無かったことにしない、ファンのエールなのだ。作品のテーマが詰まったラストになっていたと思う。

 

 

どうしてもKUROFUNE中心の語りになってしまったが、他にも好きなシーンは語りきれないほどある。 何度見返したかしれない、大好きな作品だ。

 

そしてその好きなシーンの中には、キャスト自身の発案によって紡がれたものもある。

R!のラストライブなど、まさにそれで、これはここで長々と書くよりも、監督が放映当時ツイートしていたサンクスイラストを参照していただくほうが良いだろう。

 

(11話分)

https://twitter.com/dfes_official/status/941690607679840257

  

togetter.com

 

それはキャラクターへのリスペクトなしに成立するものではない。このキャラならどうするか。このキャラならどう答えるか。「アイドルとは何か」について考え、そしてキャラクターと同じように、どうしたらファンが笑顔になるのか、という点に於いて、それぞれが「らしさ」を最大限発揮する。

 

だから株元さんが横浜やBATTLE LIVEで伝えてくれた、「勇人で良かった」という言葉や、BATTLE LIVE初日の「9割戸谷」を受けた「10割俺でも俺の中に勇人がいるから」という主旨の2日目の冒頭MC、これ以上無いくらい嬉しかった。「9割戸谷」「10割株元」、表現は違っても同じところを向いているのが、最高にKUROFUNEだった。まだまだ船から降りたくない。断固下船拒否します。話が逸れた。とにかく、私も株元さんが勇人で良かったと思うし、それは他の6人についても同様だ。慎の意外とぐいぐいくる感じ、すごく溝口くんだし。アプリや『SHUFFLE LIVE 01』に描写のある、慎の圭吾に対する遠慮のなさが、キャスト同士の元々の関係性でなんとなくリアルから補強されていくの、すごくいい。こういうところがドリフェス!の危ない魅力でもある。

 

BATTLE LIVE、ドリフェス!という作品のテーマというか、やりたかったであろうことの一つの達成があって、今振り返っても本当に良かった。初日の最終盤、マイク(イヤモニ?)トラブルで一度戸谷さんが袖に引っ込んだ時、客席に応えて「声がもう出ない」っていいながらも掠れた声で歌ってくれた株元さん、ほんと推せる。太田くんの攻めの姿勢もめちゃくちゃ良かった。KUROFUNEの『MAY BE,LADY!』、一生忘れない。最高にキラキラしてた。アイドルオーラ見えたし、『Future Voyager』は感動のステージって言葉が相応しすぎる。2日目のヘアピンのくだりとか、もうほんと最高超えてた。次元も超えてた。最終的に箱推しになっていく恐ろしいプロジェクト、ドリフェス!

 

戸谷さんがいつ頃から「手を離さないで付いてきて」というようになったのか、正確には思い出せない。去年12月にDMMシアターに襲来したときには、もう言っていたように思うけど。いま振り返って一番勇気づけられるのは、その言葉だったりする。

DMMシアターVRライブは、モーションがキャストによるもので、スケジュールが上手く合ったのもあり、再演も含め結構通った。ステージ上で頻繁に走馬灯(by佐々木純哉)の如く思い出が駆け巡るKUROFUNE、今思い返しても良かった。嘘がつけないという、アニメ1期の段階では掘り下げきれなかった勇人のキャラ造形の補足にもなっていた。千弦のモーション、大変可愛かった。

 

横浜のMCもそれぞれ印象的で、ちょっとふわふわした入りから、時間も空間も超えて、かつてファンだった人まで視野に入れたコメントだった太田くん、ほんと良かった。正木くんも驚くほどファンを(ステージからネイルまで!)見てて、こんな気の付く子がいるのか…みたいな感動があった。富田くん、REAL DREAM(1stLIVE)の頃からすごく成長したな、という感慨もあったし、うちのセンター~と石原くんを立てるシーン、REAL DREAMとしか言いようがない。リアリストを自称する溝口くんが、青色は自分の色だ、と思い入れを持つくらい、たくさんのエールを受け止めてきてくれたんだな、と思うとまさしく祖母目線になってしまう。というか、石原くんの万歳三唱、2週間もしないうちにこの発表をしなければならないとわかっていてやったのだとしたらあまりにも泣ける。真の意味でつらい。でも本当に楽しかった。

  

 

上記の通り、アニメ1期7話からハマったので、私のファン歴は1年弱ということになる。

1年弱でこれだけの思い入れを持てるのだから、最初期から付き合っていたらどうだったろう、と思う。その最初期を振り返ることの出来る『Documentary for D-For project』というものがある。

 

 

PVのFULLやメイキングも収録されているので、もし未携のファンがいるならば、これは絶対に買いだ。KUROFUNEのPV、上記の商品が発売されるまでShort verを延々と流していたので、再生数のうち200回くらいは私かもしれない。ジャケットの裏地を赤にした人を表彰したいくらいこの衣装が好きだ。ガチャで永久に来なかったし、のち暑くて脱ぐけど。一番好きなのは2番サビ後の間奏部分の戸谷さんのダンスのときの表情なので、是非Blu-rayで確認してほしい。謎の仮面もあるよ。


KUROFUNE / ARRIVAL -KUROFUNE Sail Away- Music Video (short)

 

 

アニメのリアルタイム配信、本当に楽しかった。ドリフェス!研究室がアニメイトチャンネルから移転になり、消失しなかったことは本当に嬉しい。初回の初々しさから、いつきの家に集まるという体で始まる実質最終回のこれぞ5次元!なシーン(だるまに目を入れるくだり、本当にそれまでに培った5人のカラーが出てるいいシーンだと思う)まで、出来ればアニメとセットで見てほしいほどだ。その時リアルタイムでどんな活動をしていたかも逐一報告されているので、彼らが如何にしてドリフェス!というプロジェクトを作ってきたか振り返ることも出来るだろう。新しいキャストの振り返り番組は、素直に楽しみだ。

 

DCDはいわゆるガチ勢ほど熱心に回せていたわけではないが、1弾から付き合ってきたし、サインカードも2枚手元にある。排出厳しかった。カード裏のコメントを眺めているだけで楽しかったし、キャラクターの背景デザインが何より凝っていて好きだ。箔押しは最高、いや、最高超えてる。キラキラしてるし。

ルーキーにも愛着はあっただけに、ルーキーランキングで優勝しながら声が付かなかった子達が不憫でならない。漫画だけでもどこかに再録して、彼らがこのプロジェクトを周辺から支えたことを残してもらえないだろうか。

 

不完全燃焼なんだろ

「一旦」と言ってくれたのが全てだな、と思ってもいる。ただ、「二次の展開が終わるから」三次も終わります、というのが、やはり引っ掛かるのだ。アプリのシナリオを読めば、二次の彼らは、この物語には続きがある体で話し続けている。二次の展開が三次を支えていたなら、逆だってあっていいのではないか。武道館に向けての奏たちの物語を、どこかで補完することはできないのだろうか。ドリフェス!にはドラマの余地がまだ残されている。

きらめきを永遠にとは言わない。ただせめて「1st」と銘打ったのならば「2nd」があるべきだ。ファイナルにはまだ早い。武道館は絶対に埋まるし、なんなら溢れるし、ファイナルは成功するだろう。ただこの展開の唐突感が凄く惜しい。ここまで一つずつ紡いできた物語をすっ飛ばされた戸惑いが、この文章を書かせている。

大体、ツアーにもCDにも「1st」「01」と着いているあたり、制作側にもきっと「まだまだここから叶えたいストーリー」がある。これは何の区切りなのか。2ndツアーへの充電期間を頂きますとかだったら最高超えて人騒がせで良いなぁとか思う。色んな経験を積んで帰って来て、いつかまた物語の続きをやりますって言ってくれないだろうか。

 

 

 

5次元アイドル応援プロジェクト『ドリフェス!R』「SHUFFLE LIVE 01」

5次元アイドル応援プロジェクト『ドリフェス!R』「SHUFFLE LIVE 01」

 

 

アニメとアプリ、そしてDCDを中心に、VRライブ、リアルイベントに至るまで、全てが補完関係にあっただけに、ここで物語を手放してしまうのはあまりに惜しい。

 

 私とドリフェス!

この間、色々な意見を目にしたし、読みもした。いろんなファンがふわっと集まっているのがドリフェス!の好きなところでもあったので、終了の報を受けて、なんとなくそれぞれの主張によってバラバラになって、現実が見えてくるの、結構しんどいな、とか、ぼんやりと思っている。でもこれは、ファンがあの放送を受けて、武道館という期限が切られてしまった14人に何をしてあげたいか、の違いなのだろうから、バラバラでいい。元々ファンはバラバラだ。何をどこまでどう好きか、いつまで好きでいられるか。終わりが決まった作品に、どこまで投資するのか。時間も資本も有限である以上、そこはそれぞれの決断があるし、どんな決断もしんどい。決断はしんどいのだ。

それでも、なんとなく身の置き所や感情の行き場ががなくても、自分が後悔したり、何かを恨んだりしなければ、なんだっていいと思う。

  

結果、アプリでドリンクを買ってひたすら周回している。約2年のとつバクの歴史、あまりに重い。若干引くほど重い。そこそこ開けているつもりではいたのだが。この期に及んで端末課金もしたし、できる限り彼らの記録を手元に残したいと考えている。本当はアーカイブ化にも協力したいが、できるかわからないことに対して責任が持てないので、あくまで個人的に。
色々要望も送るだろう。それは私が要望を送りたいからだ。見返りを期待したら、それはその時点で応援ではなくなってしまうので、あくまでも、言うだけ言ってみる、という気持ちだし、この文章もドリフェス!に対してなんかよくわからないけど複雑なアツい想いを抱いていた人がいたんだ、という記録が一つでも多く残っていれば、後から振り返っていかにこのプロジェクトが愛されていたか、誰かが知ってくれるかもしれない。知ってくれなくてもいい。私が残したいだけだ。

 

無理はしないといいたいが、ぶっちゃけ無理はしている。めちゃくちゃしてる。無理した上で、なんとか日常生活を回復するためにこれを書いている。そのくらい何も手に付かない1週間だった。出来る限り、してあげられることはしてあげたい。彼らが本当に好きだし、これからもずっと好きでいたい。だから、ファンを祖父母に例えた株元さんのセンス、本当に最高超えてたな!と今になって思う。

これまでファンの笑顔のために尽くしてくれたキャストやスタッフを思えば、彼らを笑顔で送り出したい。このプロジェクトを、キャストがいつまでも綺麗な思い出として、宝物にしてくれたら、それだけで良いような気もする。チヅに『ずーっと宝物にするよ』、と言わせたの、ほんとすごいな。ドリフェス!は私にとって大体すごい。すごいかどうかに関わらず、何にでも終わりはやってくる。

 

夢の終わりに向けて

 

だからこそ、武道館までどうやってキャラクターを愛でれば良いのか、本当に戸惑っている。 つまるところ結局はそこで、ほしいのは物語だ。キャストとキャラクターが、武道館をファイナルにして、新たな始まりへと続く物語。

ほんとうに何のフォローも無いとはあまり思っていないので、信じて待っていればいいのかもしれないけれど。アプリの最終イベントで武道館に触れて、あとは武道館まで奏たちの物語は止まったまま、伺い知れるのはキャラツイッターのみ、みたいにならないよう祈っている。彼らが何を思い、どのように武道館にのぞむのか。そういう道行きを描いてきたのがドリフェス!だからだ。

自分が思っているより私はドリフェス!が好きらしい。夢見も悪くなるし、正直参っている。アプリでは呑気にKUROFUNEが過食に苦しんでいる。ずっとこういう何でもないけど楽しい日々を見せていて欲しかったなぁ。キャラツイッターはキャラツイッターでフォロー力が高いので、信頼はしている。奏だけR!でユニット内ユニットの新曲が無かったことのフォローや、純哉がアイカツ!に(作品名は出していないものの)やんわりと触れるツイートもある。でもアイドルとして発信する圭吾は、基本的にラーメンを食べたり虫を怖がったりはしてくれない……。そういう高校生の、等身大のキャラクターが時折垣間見えるのが、アプリの良さだった。プレイヤーはあくまでファンなので、キャラにも寄るけれど、基本的に彼らは素の自分を私達に見せたりはしないのだ。

そういうところも、恋愛を持ち込みがちな男性アイドルものとしては新しかったと思う。アイドルと恋愛をしたいわけではないが、アイドルものが好き、という、私の需要にはこれ以上ないくらい応えている。

ラーメンで思い出したけれど、てっぺんさんはもはやコラボ抜きに味が美味しいので、期間内に都合が合う人は是非襲来してみてほしい。

 

www.dream-fes.com

 

 多種展開が終わるにせよ、アニメはそれ一つで完結した物語になっているので、安心して楽しめるだろうし、様々なアーカイブを併せて追えば、キャストの成長を窺い知ることはいくらでも可能だ。擦れた心にこんなにも響く作品はない。

コンテンツとして余命宣告はされたものの、まだまだ楽しいことも、きっと色々ある。必死になるのもいいし、きっといましか必死になれないし、私もなっているけれど(課金とか)、ドリフェス!楽しいのでは?っていう人が一人でも多くいれば、運営の気も変わるんじゃないかなー、変わらないかなーという、この期に及んでゆるふわな態度でいたい。必死になって、ファンが笑顔になれなくなるほど擦り切れてしまうのは、きっとこの作品は望まない、と、私は思っている。

だからドリフェス!を、まずは軽い気持ちで、なんとなーく作業用BGM代わりにでもして欲しい。作業どころじゃなくなる人も、きっと中にはいるだろうし、そうなったら嬉しい。

 

 

www.b-ch.com

 

長々と書き連ねてしまったが、とにかくドリフェス!は楽しい。そしてめちゃくちゃおもしろい。だから大事にしたい。

たとえ来るべき夢の終わりなのだとしても、ここまで着いてきたファン、これから好きになるファン、キャスト、スタッフ、誰にとっても最後まで、どうかドリフェス!が大切な作品であり続けることが出来るよう、心からぼんやりと願っている。

 

 

ここまで読んでくださった方に最大限の感謝を申し上げて、この文章を終わりにしたい。

ありがとうございました。

 

 

 追記

編集を重ねているうちにラジオの配信がきてしまった。3階席にいた一人として、めちゃくちゃ嬉しい。私にも見えてましたよ!と思う。さすが…。

ラストのところ、ほんとそういうところが二人とも推せるんだよなー、というやりとりなので、普段ラジオまで聞かないという人も今週は是非聞いて欲しい。

ドリフェス!ラジオ | アニメイトタイムズ

いま何が不安で、どういうことをしたら笑顔になってくれるのか、みたいなことに対して、解説の要らない的確なアンサーが来たような気持ちで、多少前向きになった。

各人の緊急生放送後の個人ツイートもそうだったけれど、彼らは本当に作品とキャラクターを愛してくれている。それが愛かどうかは、誰にもわからないけれど、愛してくれているみたいにみえるなら、それは愛しているでいいんじゃないか。石原くんが上がってこないのが心配ではあるけど、ちょっと奏らしいな、と思っている自分もいて、純粋なキャストのファンには申し訳ない。申し訳ないが書きたかった。元気とは言わないまでも、なにか言いたい気分になったら浮上してほしいなー、とか思っている。ツイートする気になれないの、めちゃくちゃわかるし。実際はわかりきれない。単に忙しいのかもしれない。色々な思いがあるだろうけど、また元気な笑顔を見せて欲しい。こうして勝手に感情移入していろいろ言ってしまうのが、ファンっていうことなのかな。

この1年弱を通して、私は7人の、14人のファンになれたのだ。とつバク回収がんばります。

 

※2018-03-11 22:26 誤字修正